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多発性硬化症

症状

その名の通り、中枢神経系(脳・脊髄)のいろんな場所の神経線維に「脱髄」という障害を起こす病気です。時間的・空間的に病変が多発するのが特徴で、いろいろな症状がいろいろな場所に繰り返し出現し非常に多彩です。原因としては免疫系の異常が考えられています。

診断・検査

神経学的診察とともに病歴が重要です。時間的・空間的な病変の多発性を証明し、他の疾患を否定することで診断が確定しますが、初発の場合には診断が困難なことも多くあります。脳・脊髄MRIで脱髄病巣があれば診断に有用です。髄液検査で炎症の活動性を調べたり、他疾患の除外のために血液検査を行います。近隣の医療機関(虎の門病院、東京慈恵会医科大学、日赤医療センター、国際医療福祉大三田病院など)と連携して進めます。

治療

近年、新しい自己抗体(抗アクアポリン4(AQP-4)抗体)が発見され、今まで多発性硬化症に含まれていた中から、視神経脊髄炎(NMO)という一群を分けて考えるようになっており、治療法も異なります。

急性期の治療

症状が出現した直後には副腎皮質ホルモン(ステロイド)の点滴治療を行います。また、血液浄化療法などを行うことがあります。急性期が過ぎると残存した症状に応じてリハビリテーションなどを行います。

再発予防

多発性硬化症の再発予防には、第一選択としてインターフェロンβやコパキソン(グラチラマー塩酸塩)の自己注射薬が使われます。第二選択には内服薬(ジレニア/イムセラ;フィンゴモリド)や点滴治療(タイサブリ;ナタリズマブ)が使用されますが、他にも新しい内服薬(テクフィデラ;フマル酸ジメチル)も使用されたり、新薬の開発も進んでいます。一方、視神経脊髄炎の場合にはインターフェロンβは使用せず、経口ステロイド薬や免疫抑制薬によって治療を行います。

診断、治療ともデリケートで難しい病気です。神経内科専門医を受診してください。

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